住宅ローンを返済中でも売却はできる!方法と注意点
結婚や出産、転勤や転職、子どもの独立など、人生にはライフスタイルの変化が起こります。その度に不満を感じるのが今の住宅、狭すぎる、広すぎる、遠すぎるなど不満を抱えて住み続けるのは、大きなストレスです。ならばローン中でも、家を売却してしまいましょう。ここでは住宅ローンが残っていても、家を売る方法をお伝えします。
売却が完了時点でローンの返済が終わっていればいい
「住宅ローンが残っている家を売るための方法」は「住宅ローンをすぐに終わらせる方法」と同じ意味を表します。なぜなら家を売るためには、住宅ローンを終わらせておく必要があるからです。
「住宅ローンをすぐに終わらせるなんて無理!貯金もなければ、払ってくれる人もないよ」こんな声が聞こえてきそうですが、安心してください。家の売却を行う方すべてが、住宅ローンを終えているかというと、そんなことはまったくありません。住宅ローンの返済中に売却される方がほとんどなのです。住宅ローンをすぐに終わらせるには、以下の3つの方法があります。
・家の売却金額をローンの返済に当てる
・住み替え住宅ローンを利用する
・任意売却を利用する
最もリスクが少ないのが「家の売却金額をローンの返済に当てる」方法です。このときに連絡すべきは不動産会社、一つではなく複数の会社に連絡し、最も高く家を売ってくれそうな会社を見つけましょう。不動産会社は家の買い手を探してくれたり、価格交渉を行ってくれるのですが、得意・不得意・営業担当者の能力には差があります。それらが大きな金額の差になってしまうのが不動産ですから、会社選びは非常に大切なのです。
家の売却金額や貯金などを合わせてローンの残りに達すれば、住宅ローンは終了となります。しかし、この方法がとれるケースはあまりありません。理由は上モノ(住宅本体)の資産価値が落ちるスピードが早いからです。購入した金額より上モノが高く売れる可能性はまずありません。住宅の資産価値の低下を上回るくらい、土地が高くなっていればよいのですが、大都市圏の限られたケースを除けば、こちらのケースもごく稀といえるでしょう。
また家を売却すると不動産会社に支払う仲介手数料や税金がかかってきますし、貯金がほとんどない状態から新たに家を購入するのにも不安があるでしょう。
住み替え住宅ローンを利用する
「家の売却金額をローンの返済に当てる」ことが難しければ、「住み替え住宅ローン」を利用する方法があります。売却を検討している家のローンと新しい家のローンを合わせた金額を払っていく方法です。
住み替え住宅ローンの最大のリスクは「ローンの支払金額が上がる」ことです。当然ながら現在よりも、月々の支払いが厳しくなります。またローンの総額も上がりますから、審査も厳しくなり、そもそも通らないというケースもあるでしょう。また、この方法が使えるのは新しい住宅を自宅として利用する場合のみとなっています。
任意売却はデメリットも
以上2つの方法が難しくても、住み替えをあきらめられない方に残された方法は「任意売却」です。いらなくなった家のローンを払いながら、住み替え先の家賃も払い続けるという、苦しい状況を避けることができますし、売却額によっては中古住宅なども購入できるかもしれません。
任意売却のためには住宅ローンを数カ月間、滞納させなければなりません。「住宅ローンは支払い切れないけれど、住宅はどうしても売りたい」という状況を作り上げるのです。
住宅ローンが滞納してしまうと、通常は住宅が差し押さえられ競売へと手続きは進みます。この場合の落札額は相場の半分程度といいますから、こんな金額で住宅ローンを支払い切ることは、まずできないでしょう。落札されるまでは家に住み続けることはできるとはいえ、落札業者がどんどん訪ねて来ますから、不愉快な思いもすることでしょう。
しかし任意売却なら相場に近い価格で住宅を手放すことができますし、誰かが家まで来ることもありません。ここまで聞くと、任意売却はメリットしかないように感じます。
しかし、大きなデメリットがあることを忘れてはいけません。「ブラックリスト」に載ってしまう、あなたの信用情報にキズが付いてしまうのです。当分の間、住宅ローンはもちろん自動車などのローンを新しく組むことはできなくなります。新たにクレジットカードを作ることもできませんし、携帯電話の契約ですら不便になるかもしれません。
住宅ローンの返済中でも、家を売却する3つの方法についてお話しましたが、無理があったりデメリットがあったりと完璧な方法はないのです。しかし、ライフスタイルに合わない家に住み続けることこそ、大きなデメリットと考えることもできます。
我慢して住み続けて、ローンの残りが減ってから、あらためて売却を考えるという方法もありますが、不満を抱えながら住み続けるデメリットと、住みかえるメリットをよく比較・検討してみましょう。