不動産の個人間売買のメリット・デメリットを知っておこう!
売主と買主の仲介業務を行わず、個人間で不動産売買を行うことをいいます。調整がしやすいメリットと仲介手数料などの費用負担がないメリットがありますが、トラブルになりやすいデメリットや手間や時間がかかるデメリットがあります。メリットとデメリットを総合的に判断して、実施の有無を決定しましょう。
不動産の個人間売買とは
不動産の個人間売買は、売主と買主の仲介業務を行わないことを指します。
不動産会社に仲介を依頼せずに不動産売買を完結させること
一般的な不動産売買では不動産会社が仲介しますが、個人間で売買する方法もあります。現地確認、契約交渉、契約書の作成と締結、登記などの業務を個人間で行うようになります。専門的な知識を必要とする書類作成を司法書士や不動産会社に依頼することはありますが、業務の大半を個人で行うため、不動産売買に関する知識や経験が豊富な人ではないと、難しいものがあるといわれています。
どのような人が行うのか
親子間や親族間で売買する場合、所有地を隣人に売買する場合、貸している土地を借主に売却する場合などに行われます。特徴は、まったく見ず知らずの人ではなく、お互いのことを知っている人とやりとりすることが多いということです。最近では、空き家問題が社会的にもクローズアップされていますが、そちらの問題を解消するためのサイト経由で、個人間でやり取りする動きが見られます。
個人間売買のメリット・デメリット
次に、個人間売買のメリットを2つ、デメリットを3つ紹介します。
仲介手数料や消費税が不要であるメリット
たとえば、3,000万円で不動産の取引を行った場合の仲介手数料は、105万6,000円(税込)となります。個人間の場合は105万6,000円(税込)を支払う必要がありません。
調整がしやすいメリット
親子間や親族間でやり取りを行うので、スケジュール調整や場所の調整などがスムーズにできます。不動産会社に仲介を依頼すると、内見や見学のスケジュール調整だけで数日程度を要してしまうことも珍しくありません。そのようなことが発生しないのでメリットといえます。
トラブルになりやすいデメリット
契約後にトラブルになりやすいです。不動産に詳しい人や慣れている人であればトラブルを避けられるかもしれませんが、素人では難しいでしょう。なかでも解決に時間を要するのが、契約不適合責任や相場と見合わないやり取りです。当時者同士で話し合っても感情論になってしまうことがあるため、なかなか話が進展しない可能性があります。
住宅ローンが組みにくいデメリット
住宅ローンの申請ができないわけではありませんが、基本的には宅建業者が作成した書類を金融機関は求めています。個人で作成したものは受理されない可能性があります。
手間や時間がかかるデメリット
調整がしやすいメリットがありますが、書類作成などもすべて個人で行うとかなりの負担となります。そのため、売主は時間に余裕がある場合を除き、書類作成は専門家に依頼するほうがよいでしょう。
個人間売買でトラブルを防ぐ方法
個人間売買でトラブルが原因で話がこじれてしまわないように、トラブルを防ぎましょう。
相場を把握しておく
売主も買主もその土地周辺の相場をつかんでおきましょう。あまりにも相場とかけ離れた価格で売買すると、後でトラブルが発生してしまう可能性があります。また、みなし贈与に該当する場合もあるので注意しましょう。
契約不適合責任を理解しておく
建物に不備があったときは、売主が責任をとる必要があります。売主としての責任を果たすために、建物の状態に不備がないようにしましょう。
登記などの手続きは司法書士に依頼する
登記などの書類関係の手続きは、素人で行うよりも専門家に依頼するほうがよいでしょう。記入ミスだけで済むものもあればそれでは済まないものもあるからです。たとえば、登記を誤ると二重売買になってしまうことがあります。司法書士に依頼すると、そのようなことは発生しません。また、書類の作成だけではなく、売買に問題がないか法的な視点からも検証してもらえるので、取引を安心して進めることができます。
買主の見極めは慎重に行う
買主についての調査は確実に行うようにしましょう。買主が信用できる人かどうかの見極めが難しいのがリスクです。意見や主張の食い違いが発生したときに柔軟に対応できる人であれば問題ないでしょう。とくに初対面の買主とは、すぐに契約を締結しないようにしてください。
一部の業務を不動産会社に依頼する方法もある
仲介手数料よりも費用負担が軽くて済む書類作成を不動産会社に依頼するのも有効です。不動産の売買では、必要な書類がたくさんあるので記入ミスや作成漏れがないように、不動産会社のサポートを利用しましょう。
まとめ
不動産に詳しい人や実務経験がある人であれば、個人間売買もスムーズに問題なく実施できるでしょう。しかし、専門的な知識と書類作成能力が求められるため、素人が行う場合は一部の業務を専門家に依頼するほうがよいでしょう。契約締結後にトラブルが発生してしまうと、トラブルを解決するために時間と労力を要してしまいます。そのようになってしまうと進展しないので、トラブルを防止するための方策を講じておきましょう。